犬の下痢の原因とは?
犬が下痢してしまう原因はさまざまですが、可能性として高いのが、散歩のときの誤飲や誤食が挙げられます。
飼い主さんは犬を散歩につれていくとき、犬が道路に生えている草をペロペロなめたり、食べたりしているのを見たことはないでしょうか。
これは、犬が本来は雑食であるため、ドッグフードに含まれる肉だけではなく、ビタミンや繊維質を補おうと草などをなめたり食べたりするようです。
胃腸の調子が良くない場合や、胸やけが起きている時にもこの現象は見られます。
しかし、ここで注意が必要です。
除草剤などの農薬を摂取してしまっている
首都圏などではあまりないケースですが、地方などは田圃や畑の付近に除草剤をまいていたり、地域で農薬を散布することがあります。
こういった可能性のある場所は、飼い主が知らずにいつもどおり草をなめたり食べさせたりしてしまうと、下痢や腹痛の原因となってしまいます。
犬は自分の縄張りを作るために、いつもの散歩コースにマーキングをしていきますが、よく見るとマーキングをした際にも草をペロペロとなめていることがあります。
とくに小型犬は注意が必要で、背高が低い為に草に口が届いてなめてしまうことがあるようです。
食べてはいけない種類の草を食べている
実は何気なく道端に生えている雑草の中に、ワンコが食べてしまうとお腹を壊したり危険な植物も多く存在します。
▼食べると危険な植物一覧
毒性箇所 | 植物名 |
---|---|
全体 | アロエ・シャクナゲ・ツツジ・アシビ・スズラン・ヒガンバナ・パンジー・藤・チューリップ・キョウチクトウ・菊・ユリ・フクジュソウ・ロベリア |
根・茎・種 | オシロイバナ・ワラビ・トマト |
葉・花・根 | ジギタリス |
葉・根 | アザレア・イヌサフラン・ギョウジャニンニク・ニラ・ノビル・アサツキ |
根(球根) | アマリリス・チューリップ・ヒヤシンス・アヤメ・スイセン |
種 | アサガオ |
葉 | ジャガイモ |
樹皮・根皮 | ザクロ |
葉・樹液 | ポインセチア |
一般的にネギ科の植物は食べさせてはいけないというのが常識ですが、他にもこんなに種類があるのは驚きです。
ちなみにネギ科の植物を食べてしまった場合の症状としては、急性の貧血、ふらつき、嘔吐などの症状が挙げられます。
食べてはいけない物を食べている
実は飼い主の知識不足によって、犬に食べさせてはいけない物を食べさせているケースも少なくありません。
例えば、代表的なものとして“チョコレート”や“玉ねぎ”などは多く知られていますが、その他に、“アボガド”や“銀杏”などの穀物は消化不良によって吐く場合もありますし、手作りご飯で生肉を上げている場合も体調を壊しやすくなります。
危険な食べ物 | 症状 |
チョコレート | カカオにはテオブロミンという中毒を起こす成分が含まれており、犬が食べると下痢や嘔吐をし、最悪死に至る可能性もあります。 |
牛乳 | 牛乳に含まれる乳糖(ラクトース)という成分を分解する酵素「ラクターゼ」の保有量が少ないと、うまく消化できず下痢を起こすことがあります。 |
パン | 小麦アレルギーがある場合は注意が必要です。 |
玉ねぎ | 玉ねぎは、アリルプロピルジスルフィドという成分が赤血球を壊して、食べてしまうと貧血や尿が赤くなる可能性があります。 |
生肉 | 加熱用と書かれているものは、寄生虫やサルモネラ菌も多く存在する為、人間も食べられる新鮮なものに限定してあげましょう。 |
ここに記載されている危険食品は、ごく一部に過ぎません。
他にも、ついつい食事している途中に“これくらいなら大丈夫だろう”と思い愛犬におかずをあげたりしていませんか?
飼い主がしっかりと知識をつけてワンコの体調を守ってあげましょう。
夏バテによる体調不良
下痢の原因として夏バテなども挙げられます。
急な気温の変化によって、体温調節が難しくなり、水をたくさん飲むことによって食べ物と飲み物のバランスが崩れて体調を崩し、水っぽい排泄物が出てくる場合があります。
誤飲を防ぐ対策をしよう
このようなことが起こらないように、飼い主は対策を徹底させましょう。
・草木の生い茂る散歩道を避けて、散歩後はしっかり手足の裏を拭き取る
・市販の食用の草を与える
・代替のおやつなどを与える
・ストレスを解消させる
もし、畦道や草木の生い茂る散歩道を選んでいれば、そういった場所を避けて散歩するのも効果的です。
万が一もしそういった場所を歩いてしまった場合は、必ず足裏を綺麗に拭き取り、薬剤の付着がないように注意してください。
また、市販でも犬猫用の食べる草が売っているのをご存知でしょうか。
こちらは完全無農薬なので、安心して与えることができます。
また、空腹を紛らわす為に草を食べている場合は、代替のおやつなどを与えることで、草を食べなくなる場合があります。
ビタミンやミネラルなどを含んだ、主食のドッグフードでは補完できない栄養素を含んだおやつやサプリメントを与えてあげましょう。
ストレスからくる草食行動なら、しっかり散歩や遊んであげることでストレスを軽減させてあげることで草食行動がおさまる場合もあります。
下痢になった時の対処法とは
誤飲してしまった場合
何かを食べてしまい、様子がおかしくなった場合、まずはワンコが興奮しないように落ち着かせましょう。
すぐに大量のお水を飲ませて、嘔吐させるか、しない場合は速やかに動物病院に連れていきましょう。
下痢だがそれ以外は元気な場合
何かしらの原因で犬が下痢をしてしまったとき、まずはその様子を見てみましょう。
一過性の場合は1日、2日で下痢がおさまる場合があります。
食事に乳酸菌の入った栄養補助食品を混ぜてあげると早期回復に効果的です。
乳酸菌は熱に弱いので、しっかり腸まで届くものと、ドッグフードで足りていない栄養素を一緒に摂れるものを選びましょう。
下痢が3日以上続く場合。。。
下痢が3日以上長く続いてしまう場合は必ず獣医に診察してもらいましょう。
獣医からお薬で抗生物質をもらうこともありますが、多くは自宅の食餌療法で改善することができます。
安価なドッグフードや、粗悪な商品を食べさせていると慢性な下痢が続く場合があります。
食欲がなかった犬も、きちんとした餌を少しずつ食べていくことで、下痢を治すことができるのです。
▼通販できる安心ドッグフード
犬のお腹がゆるい状態のときには、いつものように固めのドッグフードではなく、半生タイプのものやゼリー状になったものなどを与え、少しずつ体調を整えていくことも大切です。
決まったドックフードがあるのであれば、少しお湯を加えて柔らかくしてあげることで弱った胃腸の消化を助けます。
フードの量の与えすぎによっても消化不良を起こす場合もあるので適量を守ってあげましょう。
症状が治ってきたらまたいつものドッグフード与えて、徐々に慣らしていくと良いでしょう。
元気がない、血便などの症状がある場合
パルボウイルス、コロナウイルス、犬ジステンパーウイルスなどのウイルス感染や寄生虫などが原因で下痢をしている可能性があります。
- 水っぽい下痢を繰り返す
- 嘔吐する
- 便に血が混ざる(血便)
- 便が黒い(黒色便)
- 食欲や元気がない
- 体重が減っている
- 3日以上下痢が続いている
これらの症状が見られる場合には早急に獣医師の診察を受けて適切な処置をしましょう。
飼い主が判断せず、中には急激に悪化してしまう場合もあるので、注意してください。
まとめ
体調が悪くてもワンコはそれを飼い主に訴えることができません。
飼い主ができるだけ早く愛犬の体調不良を、便や食欲などを見て察知してあげるほかないのです。
まずはこういった誤飲やストレスなどの対策や工夫をした上で、もしもの時を考えてペット保険を検討してみるのもいいかもしれません。