今回は前回記事にしたQYLDの兄弟分にあたるグローバルX社の超高配当ETF・XYLDについて解説していきたいと思います。
今もインデックス投資と高配当ETFの投資を続けているが、利回りに満足してしない方や、余剰資金がにまだ余裕がある方に検討する余地がある商品だと思っています。
グローバルX S&P 500・カバード・コール ETF(XYLD)
それでは、XYLDとは一体どんなETFなのか簡単にご紹介していきます。
XYLDを運営するグローバルXは2008年創業のETF専門会社で、運用資産残高は4.7兆円を超えるフィンテックなどのテーマ型ETFを多数運営する会社となっています。
XYLDの設定日は2013年6月で、連動する指数は過去何回か変更になっていますが、現在は“CBOE S&P500 BuyWrite Index”になっており安定した分配金を出してくれています。
こちらは純資産推移のグラフですが、資産額はQYLDに比べるとまだ少ない金額ですが順調に右肩上がりになっています。
日本ではダイワ証券との合弁会社Global X Japanが運用しているので、楽天証券、SBI証券、マネックス証券などでも普通に買う事ができます。
S&P500に連動するETF
S&P500は米国の優良企業500社に投資するもので、米国の株式の約80%の時価総額を占めており、NISAなどのインデックス投資でも聞き馴染みのある指数ではないでしょうか。
ちなみに前回ご紹介したQYLDはNASDAQに投資するものですが、NSDAQ100銘柄中80社はS&P500にも含まれており、S&P500に投資すればNASDAQにも投資ができているといえます。
分配金は不要で、キャピタルを狙っていきたいのであれば“VOO”で、逆に分配金が欲しいインカム狙いのETFでは今回ご紹介する“XYLD”となります。
デメリットとしては、相場が下落し続けるような環境だとコールで買う人が少なくなるので、利益が出ずに分配金の減額がある可能性もあります。
S&P500そのものを買った方がリターンの追求としては適切ですし、資産形成の初期段階ならば“XYLD”ではなく、例えばS&P500に連動するETFである“VOO”の方が良い場合もあります。
XYLDは株価の上昇はほぼ見込めないETFとなります。
年率リターン(%) (四半期末)四半期末 (2021/12/31) 時点 | 基準価額 | 終値 | インデックス |
---|---|---|---|
1年 | 19.68% | 19.59% | 20.47% |
3年 | 12.97% | 12.87% | 13.86% |
5年 | 9.65% | 9.61% | 10.36% |
設定来 | 9.00% | 9.07% | 9.27% |
また、分配金は支払われる度に課税されることも念頭に置いておきましょう。
カバードコールとは?
公式サイトの説明はこちら。
カバード・コール戦略で利益を生み出そうとするもので、ナスダック100指数の株式を購入し、対応する同一指数のコール・オプションを売却します。
(参照_Global X Japan)
カバードコールの売りで利益を生み出しており、特徴としてはボラティリティが高い時期には、より高い利回りを生み出していくとありますが、文章をみるだけではいまいちよくわからないですよね。
このオプション料を分配金として株主に還元している仕組みになります。
ただし、オプション料は全額分配しているわけではなく1%を上限としています。
XYLDの特徴とデメリット
- 株価が横ばいか、下落の場合、オプション量の分だけリターンを得られる。(2%のオプションプレミアム)
- 株価が上昇した場合は値上がり益を放棄することになる。
- オプション料はボラティリティが低いと下がる傾向がある。
- 毎月分配金を出してくれる。
デメリットとしては、上記にある様に値上がり益を放棄することと、ナスダックの市場が緩やかな相場だとボラティリティも低くなる為、配当金も少なくなってしまう可能性もあります。
組入上位10銘柄
組み入れ銘柄数101銘柄となっており、QYLDと似ていますね。
比率(%) | ティッカー | 銘柄名 | 市場価格($) | 保有株数 | 保有総額($) |
---|---|---|---|---|---|
6.65 | AAPL | APPLE INC | 150.62 | 508,551 | 76,597,951.62 |
5.88 | MSFT | MICROSOFT CORP | 276.44 | 1,956,368 | 67,715,083.76 |
3.52 | AMZN | AMAZON.COM INC | 2,837.06 | 132,675 | 40,550,098.58 |
2.15 | GOOGL | ALPHABET INC-CL A | 2,519.02 | 922,680 | 24,774,561.70 |
2.03 | GOOG | ALPHABET INC-CL C | 2,534.82 | 260,779 | 23,338,087.74 |
1.77 | TSLA | TESLA INC | 278.17 | 766.37 | 20,419,928.65 |
1.71 | BRK/B | BERKSHIRE HATH-B | 2,800.35 | 329.98 | 19,746,993.14 |
1.51 | NVDA | NVIDIA CORP | 2,794.72 | 213.30 | 17,434,502.10 |
1.30 | UNH | UNITEDHEALTH GROUP INC | 62.37 | 487.92 | 14,991,342.00 |
1.28 | JNJ | JOHNSON & JOHNSON | 622.05 | 171.69 | 14,803,283.49 |
運用実績は?
基本情報 | 2022/3/11 時点 |
---|---|
ティッカー | XYLD |
設定日 | 2013-06-21 |
主要取引所 | NYSE Arca |
純資産 | $1,150,125,707.59 |
基準価額 | $47.10 |
経費率 | 0.60% |
分配利回り | 12.09% |
分配頻度 | 月次 |
投資をしている人ならわかると思いますが、配当利回りがなんと12%もあることに驚くと思います。
100万円運用すれば年で12万円も配当金が受け取れる計算になり、高配当ETFのSPYDの2倍となっているので人気が出るのも納得です。
経費率を見てみると0.6%と他のETFに比べると少し高いですが、分配利回りからすると大した問題ではないかなと思っています。
どのような人に向いている商品なのか
資産形成途中の方や、不労所得で既にセミリタイヤしている方で、S&P500指数を信頼できる方にオススメできる銘柄となっています。
安定した分配金
チャートの値上がり局面でも、値下がり局面でも安定した分配金を出してくれます。
配当金はの分配日はまちまちで、平均して毎月20前後が多いようです。
配当金を再投資するならインデックス投資の方が良いのではないか?という意見もあるかと思いますが、今の高配当を継続していけるのであれば再投資が資産拡大のスピードを早めてくれます。
QYLDとXYLDはどちらがいいの?
同じ会社が運営するこの2つの銘柄どちらに投資したらいい?と迷われるかと思います。
この2つをオプションプレミアムに影響する“ボラティリティ”の動きを比べても、ほぼ同じ相関関係にあります。
トータルリターンを見ても直近1年ではXYLDが良く、過去6年をみるとQYLDが勝っている状況となっています。
NASDQはハイテク柄中心のセクターに集中していることから、今後ハイテク企業が伸びると思うのであればQYLD、米国の時価総額の多い企業に満遍なく投資をしたいのであればXYLDを選ぶと良いと思います。
私個人的にはどちらの銘柄も買い増ししていく予定です。
投資は自己責任
しかし、注視しておきたいのは、資産の分散は鉄則です。
一つの銘柄に絞ることなく、資産の余剰資金で分散投資することでリスク回避するようにしましょう。
インデックス投資を続けながら、資産の1割程度を目安にXYLDに投資に回すのがいいかもしれません。
\QYLDを詳しく説明している記事はこちら/
※投資の売買は個人の判断と責任を持って投資を行いましょう。