現役が語るファッションデザイナーに必要なスキルと仕事内容とは

ファッションと仕事

ファッションデザイナーになる為に現場では一体どんなスキルが求められるのでしょうか。

これからデザイナーを志す方も、専門学校や授業で学ぶこととは少し違っているかもしれません。

長年ファッションデザイナーをしてきた私が実務と照らし合わせて解説していきたいと思います。

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ファッションデザイナーの棲み分け

ファッションデザイナーといっても大きく3つの分類に分けることができます。

企業デザイナー

一番在籍数が多く、採用人数も多いのが企業に雇われているデザイナーです。

企業の持つブランドや、ライセンス商品のコンセプトにあった大量生産可能な商品をデザインします。

オートクチュールデザイナー

独立して自分のブランドを立ち上げたり、個人で顧客のニーズに応えた一点物のデザインを作成します。

大量生産ではできない刺繍や、付属、煌びやかで豪華な装飾がある事が多く、その分コストが高いのも特徴です。

OEMデザイナー

OEMとは「Original:本来の」、「Equipment:製品」、「Manufacturere:製造業者」それぞれの頭文字をとったもので、自社で製造した製品を、委託されている他社のブランドの名前で販売する製造業社のことになります。

大きくは企業デザイナーと変わりありませんが、デザインのみといった仕事の一部のみを受け持つこともあります。

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デザイナーの主な仕事内容

ここでは私が属する企業デザイナーに焦点を当ててご紹介したいと思います。

企業デザイナーは、いくら個人でセンスがあっても、好きなものを自由に作れるというわけでは有りません。

企業に属している以上、ブランドや大量生産には制約事が多く、その度に修正を繰り返して問題をクリアにしていかなければいけません。

具体的には、自社の持つブランドのコンセプトを立案し、年齢、購買層、生活スタイルなどを意識しながら、流行の情報を取り入れながらデザインに落とし込んでいきます。

同時に他社や競合するブランドの情報、マーケットなども調査しながらより売れるものを追求し探究していくことも必要になります。

▼主な仕事内容の流れ
  • コンセプト立案

    ブランドに合わせた企画の立案を行う。(マーケット情報を踏まえて決定)

  • デザイン作成

    絵型(デザイン画)を作成して視覚的にわかりやすい情報にして社内共有を行う。

  • カラー・素材決め

    絵型に着彩をして、色の配色や付属、素材などを落とし込んでいく。

  • 仕様書の作成

    パタンナーと相談しながらスタイリング、服の仕様を決定する。

  • ラベル
    サンプルの確認・修正

    サンプルが上がってきたらチェックして修正を繰り返し、本生産する。

ドラマなどでは華やかでキラキラしているイメージのあるファッションデザイナーですが、実際は泥臭いことも多く、地道な作業が多くあります。

そういったキラキラした部分に憧れてデザイナーを目指してしまうと、実際に働いてみてガッカリしてしまうかもしれません。

▼デザイナーの更に詳しい仕事内容を公開

デザイナーに必要とされるスキル

では、実際の現場ではどんなスキルが必要で仕事に直接関係してくるのでしょうか。

主にデザインに関しては手書きよりデジタルが主流となっています。

Adobe イラストレーター

昔は絵型(デザイン画)も縫製仕様書(服の設計図)も手書きでしたが、今がイラストレーターで作成するのが主流になってきました。

理由として2次加工などのプリントの指示が容易にできることや、修正が簡単に行う事ができる事が大きなメリットになります。

デザインを工場様に送付する手段も、昔はFAXでしたが今はメールベースで行えるようになった事も大きいでしょう。

より精度の高い具体的な商品情報を求められる現場では必須スキルといえます。

B-CON
B-CON

主に商品のデザイン作成と色などの配色を決めてから、服の設計図である縫製仕様書を作成します。

ドラマなどでよく見る手書きの着装しているデザインは、スタイル画といって必要に応じて作成したりします。

Adobe フォトショップ

イラストレーターより頻度は下がりますが、プリントデザインやコンセプトイメージなどを作成する時に必要になります。

デザインをより具体的に視覚化する為には便利なツールなので、こちらも合わせて習得しておくのが良いでしょう。

B-CON
B-CON

プリントの版下の作成や、イメージボードの作成や画像のコラージュなどにも使います。

イメージボードとはコンセプトに関係のある画像や写真を集めて、ブランドのイメージやカラーパレットなどを表現する手法です。

しかしながら、イラストレーターもフォトショップも、ソフト自体が大変高価でなかなか手が届かないと悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

スキルを習得する前にこんな金額を払うのはリスクと思っている方は、スクールを受講することで学生特別価格で購入する事もできます。

学生といっても、スクールに通う生徒であればどんな年代の人でも学生特別価格でソフトを安く購入する事ができるのがメリットです。

1年、2年、3年間の選べるスクール受講もできますので、これから学んでみたい方は検討してみてはいかがでしょうか。

Microsoft Excel

エクセルで縫製仕様書や工場に指示を出している会社も多くあります。

エクセルは一番身近にあるツールなので使った事がある人は多いと思いますが、普段使わない図形や吹き出しの使い方、オートSUM機能などは使いこなせるようにしておきましょう。

絵型を別で作成して、画像を取り込んで作業する為イラストレーター より手間が多いですが、データが軽くなるというメリットもあります。

パターンメーキング技術検定

資格は必須ではないですが、洋服の仕様がわからないとパタンナーにどのようなデザインかを説明する事ができません。

洋服の名称、例えば片玉縁やスラッシュポケットなどの固有名詞や、片倒し、またがせ二本針などの仕様の名称などは覚えていないと、パタンナーや縫製工場とうまくコミュニケーションが取れないので、覚えておくと良いでしょう。

英会話・英語

これは意外かもしれませんが、今やアパレルの生産の多くは中国・インド・ベトナム・ミャンマーなど海外が中心となります。

商社経由で生産する場合は翻訳もしてもらえますが、工場様と直で取引をする場合は、相手先に必ずしも日本語ができる人がいるとも限りません。

私が取引をしている大きな工場様でも、メールでのやり取りは英語がメインで、縫製仕様書も英語で作成する場合もあります。

もちろん工場様に直接出向いて指示をする為の海外出張もありますし、デザインで英字を使う場合、誤字やスペルミスは販売中止になる大きなミスになりますので、細心の注意が必要です。

また、デザイナーになってからキャリアアップや給料UPを目指すのであれば、グローバルブランドへの転職は必須となってきます。

その際、英会話が必須条件になっている会社も多いので、今から少しづつ勉強しておくと将来大きく飛躍する事ができるといえます。

▼私が実際に英語学習で実践したこと

スタディサプリEnglish ビジネス英会話

仕事のやりがいとは

仕事は楽しい事ばかりではありませんが、デザイナーというクリエイティブな仕事はたくさんのやりがいがあります。

デザインが評価・指示される

商品が世の中に流通されると、日常で自分の携わった商品を見かけることがしばしばあります。

お金を出して商品を買ってくれる人がいるということはとても嬉しいことで、1番のモチベーションアップになります。

その他にもメディアの露出や取引先のバイヤーなどからの評価も大変励みになります。

企業貢献の満足度が高い

自己満足になってしまいますが、会社の“飯のタネ”を作っているという自負が生まれます。

よくも悪くも商品が売れないと企業は存続する事ができません。

現場の最前線で活躍することで、企業の顔としてその成長に貢献する事ができているような充実感があります。

まとめ

専門学校や習うことや本で学ぶ事と、実際の現場で必要とされるスキルは違っていることが多々あるかもしれません。

上記で紹介してきたスキルがあると、現場での総戦力になりますし、早く仕事に慣れることができます。

また、合わせて日々流行のアンテナを張り巡らせ、雑誌や美術館、映画や読書、遊びや旅行などで自分の感性を磨いておきましょう。

その他にもファッション関係の資格(ファッションデザイナー認定試験・服飾士認定試験・カラーセラピー関係など)は持っているとより知識が深まりますし、新卒や転職時に大きなアドバンテージになりますので資格に挑戦してみるのも良いでしょう。

PROFILE
B-CON

都内にミニチュアシュナウザーの愛犬ROYと一緒に住む30代のヲカマ。
大手アパレルにメンズデザイナーとして勤務。
カミングアウト済み。
週3のジム通いが日課。
最近ハマっていることは株投資とAPEX。

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