カミングアウト(英: coming out)とは、自身の性的指向やLGBTの当事者であることを打ち明けることを呼びます。
逆に、他人の秘密を暴露することをアウティング(英: outing)といいます。
アウティングの認知はまだまだ低く、正しい知識がないばかりに、実は知らぬ間に誰かを傷つけてしまっている危険があります。
職場内での話題や雰囲気について気を付けたいことを解説します。
カミングアウトする真意とは
カミングアウトする側にとって、自分の性的指向や性自認を他人に打ち明ける事はすごく意味があるのと同時に大きなリスクを伴います。
なぜリスクを負ってまでカミングアウトするのでしょうか。
それはあなたに自分のことを知って欲しいから
カミングアウトは一種の“告白”に近いものを感じます。
“こんな事言って嫌われないかな?”、“明日から避けられたらどうしよう…”など当事者は不安でいっぱいでしょう。
しかし、そのリスクよりも打ち明けることに意味あると信じているからです。
それは相手を信頼しているから、ということを忘れてはいけません。
アウティングに潜むリスク
カミングアウトのは対照に、他人の秘密を暴露することをアウティング(英: outing)といいます。
本人の了解を得ずに、他の人に公にしていない性的指向や性自認等の秘密を暴露する事です。
面白がって話に乗らない
ふとした会話の中で、『○○さんってゲイらしいよ?』と聞いたらあなたならどう返事をしますか?
『イケメンなのにもったいない!』とか『狙われないように気を付けないと(笑)』などと一緒に面白がって話にのっていませんか?これは一番やってはいけないことです。
当事者がそれを聞いていたら同じことが言えるでしょうか。
異性愛にも同性愛にも優劣はありませんし、ゲイは男なら誰でも好きというわけではありません。
そういうことを決めつけて笑いのネタにすることが間違っていますね。
誰だって自分の知らないところでプライベートの話をされていたら気分悪くなりますよね。
噂を自分のところで終わりにする
もしアウティングをしている現場に居合わせてしまった場合はどうでしょうか。
相手に『そういうのよくないよ』と言えない状況や難しい場合もあると思います。
自分が噂される立場になった時のことを考えて、自分のところで噂話は止めましょう。
信頼できる人に相談する
もし噂が職場や学校などで広まってしまった場合、どう対処したら良いのでしょうか。
1人で悩むより、職場であれば信頼できる上司、学校であれば信頼できる先生などに相談してみましょう。
または組織を変えることができる立場にいる人であれば問いません。
問題は信頼できる人が身近にいるかどうかです。今の会社の雰囲気や上司を想像してみてください。
“これは無理だな”と思ったら転職を視野に入れてみるのアリだと思います。
カミングアウトは一度では終わらない
カミングアウトは1人にしたら終わりという物ではありません。一生を通して、同僚、友人、家族など、話をする度にリスクが伴います。
しかし、残念なことに万人がそれを受け入れてもらえるわけではありません。私たち当事者は人選してカミングアウトすることで自分の居場所を探しているのです。
もっと今より良い関係になりたい、嘘をついて異性愛者のフリをするのは耐えられない…等様々な理由があると思います。
もしあなたがアウティングをしてしまうことで、相手を傷つけるだけではなく、居場所を奪ってしまうことにつながるのです。
2015年、東京都国立市の一橋大法科大学院の学生が、同級生に同性愛を暴露された後、校舎から転落死したことを機に社会問題化しました。
そういった過ちを繰り返さない為に、国はアウティングを「パワハラ」と規定し、大企業などに対策を義務化しました。
LGBTQ+の多くの方がアウティングされる事で不利益や、差別を受けないか、という悩みを持っています。
アウティングされている本人がその事実を知った時のストレスやショックは計り知れません。
お互いの人間関係が壊れてしまう原因にもなりますし、それが直属の上司となれば仕事にも悪影響を及ぼします。
一人一人が正しい知識とモラルを持って接することが求められています。