ニュースや会社ではダイバシティーや『性の多様性』について発信しているけども、オフィスでも時おりドッキとするような単語が飛びかったりして、カミングアウトしていない当事者には、かなり気を遣う瞬間があります。
『私には直接関係ないし』と思っている方も実は身近に該当する人がいる事は十分あります。
正しい知識を持っているだけで職場やお客様への対応で、知らぬ間に誰かを傷つけないためのベーシックなノウハウとLGBTQの意味をわかりやすくまとめています。
LGBTQの歴史を動かした映画
はじめに歴史を動かしたある映画の話から。英語圏の映画で初めて「ホモセクシュアル」つまり『同性愛』という言葉を表現したのは、1961年に公開されたイギリスの映画『Victim』でした。
当時は「男性同士の同性愛」は法律で禁止されており、その裁判の様子は新聞で面白おかしく報道されるため、一度起訴されてしまえばキャリアも社会的信用も失ってしまう残酷な内容でした。
同性愛への偏見が強かった当時にあって、それは死刑宣告も同然だったのです。
往年の人気俳優ダーク・ボガードが主演し話題となったこの作品の後押しもあり、1960~70年代、同性愛を禁止していた法律は数々の国で見直されるようになったといいます。
多くの人が知ることで、世界は少しずつ変わり始めます。
そこから半世紀が過ぎ、いま自分がセクシュアルマイノリティに対し差別的であると語る人は少なくなりました。
LGBTQ+とは
レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダーの4つの頭文字をとったLGBTという単語が広まり、「性は多様」というメッセージもよく聞くようになりました。
そこに自分の性のあり方について「わからない」「迷っている」「決めたくない」の意味のクエスチョニング、性はとても多様で他にも当てはまらない、性に対する包括的な意味でのプラスが追加されLGBTQ+となりました。
L | Lesbian・レズビアン | 女性として女性を好きな人のこと。 |
G | Gay・ゲイ | 男性として男性を好きな人のこと。 |
B | Bisexual・バイセクシュアル | 性的指向(好きになる性)が男性にも女性にも向く人のこと。 |
T | Transgender・トランスジェンダー | 性別に対する違和感を覚え、生まれたときに割り当てられた性別とは違う性別で生きたいと思う人のこと。 |
Q | Questioning/Queer・クエスチョニング/クィア | クエスチョニング:自分の性自認・性指向のいずれかが決まっていない人のこと。 クィア:性的指向が異性愛に限らない人たちによって使われる形容詞」とのこと。 |
+ | Plus・プラス | 上記に当てはまらない、その他を含めた包括的な意味で使われる。 |
私はこの中で“G”のゲイに当てはまります。生まれつきの先天性ではなく、後天性でした。
思春期は自分の性自認について悩んだ時期もありました。
今でこそ受けいれた上でオープンにカミングアウトしていますが、全員がそういうわけではありません。
大人になっても境遇や性格から今も悩み苦しんでいる人はたくさんいるということを是非知っておいてください。
みんなが望んでマイノリティに生まれてきたかったわけではないことを。
GBTQ+の当事者は、左利きの人数と同じかそれ以上
身近にそういう人がいないから実感わかないと言う人は危険信号です。
それはあなたが気づいていないだけの可能性があります。
2019年にあった調査では、セクシュアルマイノリティと自認する人は10人に1人でした。
これは日本全体でいうと東京都の人口とほぼ同じ。また、10代の全ての人口を合わせたよりも大きな数です。
割合で見れば左利きの人や血液型がAB型の人と同じように、必ず身の回りにいるのです。
この意識がないが故に、意図せずに差別に加担してしまう場面が日常には溢れています。
正しい理解というのは、受け身では身につかないからです。
誤解や偏見に基づく会話やうわさ話で傷つけてしまったり、「男らしさ」「女らしさ」の概念に縛られて辛い思いをしたり、「周りにはいない」とマイノリティを見えない存在にしてしまっているのです。
よって当事者はカミングアウトしづらい環境におかれ、強いストレスの中で、理解あるストレスフリーな生活を求めて仕事を変え、人間関係を変えているのが現状なのです。
そんなとき知識はアンテナとなって、日々の会話に潜んでいた先入観に気づくきっかけをくれます。
気づきは理解へつながり、行動につながります。
そしてここまで読んでくださっていることも、ダイバーシティ&インクルージョンの行動のひとつなのです。
理解のある会社へ転職
今でこそ芸能人や有名人にもGBTQ+の方が活躍しているおかげで、差別や偏見といった考え方も若い世代には少なくなってきた印象があります。
しかし、まだまだ年配の方には間違った認識や、一時的な病気などと思っている方もいます。
私も前職の会社の上司による、心無い一言で転職を決意した経緯があります。
影で“あの人コッチの人らしいよ?”などと噂されたり、“結婚しないと一人前じゃない”と言っているような古い体質の会社は、私にとって決して働きやすい会社ではありませんでした。
会社や上司を取り替えることはできませんが、自分が職場を変えるだけで環境をガラッと変えることができます。
日本にも様々なLGBTQフレンドリーな企業はたくさんあります。
失敗したくないと慎重になっていましたが、今では転職して本当に良かったと思っています。
自分らしく働ける会社はきっとあります。
転職エージェントや転職サポート会社は登録無料なので、どんな企業があるのかでも一度調べてみることをおすすめします。
公式HP | 特徴 |
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リクルートキャリア | リクルートが運営するフリーター、既卒、第二新卒に強い就職支援 |
【とうきょうナースステーション】 | 他の病院へ移ろうと思ってる方は、看護師専門の有名な転職サイト |
アスリートエージェント | 異業種や、未経験職種へ転職を考えているなら |
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Samurai Job | グローバル・外資系・ハイクラスの転職支援サービス |
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退職代行サービスを利用してみる
転職したいけれど、なかなか言い出せないと悩んでいる方は退職代行というサービスがあるのをご存知ですか?
名前の通り、労働者が会社を退職したいと考えた場合に、労働者に代わって退職の処理を行ってくれるサービスになります。
執拗に引き止められたり、パワハラによる抑圧、転職の意思を伝えたら嫌がらせやを受ける可能性がある場合には選択肢の一つに入るでしょう。
一般的には退職を依頼すると場合の料金は、3~5万円程度が相場のようです。
なるべく会社と接点を持たずに、即日対応してもらえること、また退職日まで有給消化を待たずに退職する事も可能のようです。
転職後の変化
転職した私は、初めて社内でカミングアウトをしました。
それをきっかけに、社内で新しく『LGBTQダイバシティー』に関するチームが発足されると聞いて初期メンバーとしての活動を始めました。
活動内容は社内のパートナーシップに伴う制度の改定や、ダイバーシティーについての勉強会など働き方改革を中心とした様々な企画を行っています。
今思うことは、あの時転職をして本当によかったなと思えることです。
自分が自分らしく働ける場所は必ずあります。人生一度ですから、我慢せずに一歩を踏み出してましょう。