アライ(Ally)という言葉を耳にしたことはあるでしょうか?
LGBTQ+という言葉に比べると、一般的に認知度が低い言葉ですが、ここではアライ(Ally)とはどういうものなのか、その在り方とアライ(Ally)の活動とはどんなものがあるのか詳しく説明したいと思います。
LGBTQ+をより深く理解するキッカケになればと思っています。
アライ(Ally)とは?
アライ(Ally)とは、LGBTQ+の当事者のことをよく理解し、応援・支援する人のことを指します。
「味方」、「仲間」、「同盟」を意味する英単語「ally」が由来となっており、正しくはストレートアライ(Straight Ally)と言います。
当事者では無いけれど、LGBTの人たちの活動を積極的に支援している人たちのことをさしていましたが、今は当事者の中からも積極的な支援活動に賛同する人のこともアライと呼ばれています。
LGBTQフレンドリーとも言われたりしますが、アライ(Ally)はそれより強い結びつきがあるニュアンスがあります。
LGBTQ+活動でモヤッとした出来事
私はLGBTQ+当事者として会社のダイバシティー推進チーム内に発足したLGBTQ+チームに所属しており、本業のデザイナーの仕事の傍ら、LGBTQ+の支援活動を行っています。
そんな活動をしている中、同僚からよく聞かれるのが
『LGBTQ+チームの人はどんな人がいるの?全員当事者なの?』
『LGBTQ+当事者じゃないと入れないんでしょ?』
という何気ない言葉でした。
この時、私の中で“モヤ”っとした気持ちが生まれたのをよく覚えています。
LGBTQ+の支援や応援は、一般的に当事者じゃないと出来ないと思われているのだろうか?
ストレートの方が善意でLGBTQ+支援活動をしていた場合、LGBTQ+当事者として誤解されてしまう可能性があるのか?ということでした。
きっと支援されている方たちは、後者の誤解を気にしている方は少ないと思いますが、万が一不利益を被ってしまった場合、当事者としては複雑な心境です。
ここで知っておいて頂きたいのは、ストレートの方でもアライ(Ally)としての活動はできますし、LGBTQ+のことを理解することでその活動はすでに始まっているのです。
日本では限定的なアライの活動
2015年、渋谷区が同性カップルを結婚した夫婦と同等に扱い、同性パートナーシップ証明書を発行する新条例を制定したことをきっかけに、企業がLGBTを平等に扱う(LGBT施策を実施したり、商品・サービスの見直しを行う)動きが急速に進んできました。
2019年時点でEU加盟国や、カナダ、アメリカ(一部の州)などを中心に、80ヵ国が性的指向による雇用差別を禁止しているほか、企業におけるLGBTQ +フレンドリー度の採点や評価制度の取り組みも進んでいます。
しかし、日本では未だ雇用差別に関する法整備がされておらず、OECD諸国の中でのLGBTQ +に関する法整備状況は、35ヵ国中34位とワースト2位という残念な結果となっています。
アライの具体的な活動
先ほどもお伝えした通り、LGBTQ+のことを理解することでその活動はすでに始まっているといえます。
会社やプライベートでも、「男らしさ」「女らしさ」の概念に縛られて話の展開を進めたり、「周りには当事者はいない」とマイノリティを見えない存在として、無視したままの会話をしないことなどの注意を払うだけで救われる事もあります。
例えば、、、
- 彼氏/彼女ではなく、『パートナー』と呼ぶ。
- 「男らしさ」/「女らしさ」という性別の偏見を見直す。
- ホモ/レズは差別用語になるので、「レズビアン」、「ゲイ」と言い換える。
こういった配慮をしてもらえるだけで、当事者にはその気遣いや優しさが十分に伝わります。
アライになることは難しいことではなく、アライになりたいという気持ちがあれば、誰でもなることができます。
でも、“何もしなくていい”というわけではありません。“行動しよう”という意識を持つことも大切なことだと思っています。
6つの「ALLY RAINBOW ACTION(アライ・レインボー・アクション)
アライだと大きい声で宣言する必要はありません。
また、何か特別な事をしないとアライと宣言していけないのかな。。。と思う必要もありません。
そんな方に6つのアライへのアクションをまとめてみました。
1:LEARN!
基本的な知識を知ることも、支援の一つ。理解しようという姿勢を持とう。
2:THINK!
となりの人がLGBTなら?をいつも考えて、自分の言葉や思い込みを見直そう。
3: LISTEN!
相談やカミングアウトをされた時は、ゆっくり話を聞こう。それも一つのできること。
4:TALK!
カミングアウトできない当事者のニーズを代弁しよう。あなたもLGBTの声になれます。
5:PROTECT!
差別的な言動から LGBTを守ろう。話題を変えたり、そっと注意して。
6:SPREAD!
ALLYであることを周りに広めよう。レインボーグッズを持つのもgood。
アライが増えることで職場の心理的安全性が高まり、結果として組織全体のパフォーマンスが向上するといわれています。
私の会社ではレインボーのアライシールを作成して、任意で必要とされる方に配布しており、支援表明との手段として活用しています。
皆さん一人ひとりの小さなアクションが、LGBTQ+の人たちにとって、より安心できる、働きやすい職場に変えていくと考えています。