もし職場やプライベートで、親しい友人や同僚にカミングアウトをされたらどうしますか?
カミングアウトされたけど、どうしたらいいの?と思った時、相手の気持ちを理解することで、さらに良い関係になるようにしていきましょう。
カミングアウトとは?
カミングアウトとは、LGBTQ+の方が自身のセクシュアリティを他の人へ打ち明けることです。
そもそも、なぜ『カミングアウト』という言葉があるのか社会的な構造から見ていきましょう。
一般な“普通”という定義が社会にはあります。
その一つが“男らしさ・女らしさ”になります。
この“普通”で判断する社会では、自分のことを隠してでも“みんなと同じ”を選んだ方が生きやすい現状があります。
また、その“男らしさ・女らしさ”でない言動や行動は、時に笑いのネタや、差別の対象となってきました。
個人差はありますが、『カミングアウト』することはとても勇気がいる事なのです。
これは、一度きりの出来事ではなく、初対面の人と出会うたびに起こる、継続的な出来事となります。
カミングアウトすることで、自分の性自認や性的指向(=SOGI、Sexual Orientation & Gender Identity)を隠すために慎重に言葉や行動を選ぶ必要がなくなり、肩の荷が下りますが、それと同時にリスクも伴います。
LGBTQ+の人たちは、初対面の人と出会う度に、その人が本当に自分にとって安心できる存在か、それとも差別や暴力を受ける可能性があるのかを判断しなければなりません。
職場でのカミングアウトについて
カミングアウトをする事で、セクシュアリティを隠さず、自分の言動や行動に慎重になる必要がないので、ストレスも軽減され、仕事に集中して自分の能力を最大限に発揮することができるといえます。
しかし、LGBTQ+の人々の権利が法律で守られている国や社会であっても、不当に昇進機会を得られなかったり、同僚から差別的な扱いを受けたりすることがあります。
そのような差別的な扱いをSOGIハラスメントといい、日本では2020年6月から防止策を措置義務とする法律が施行されました。
職場での異性愛者として決め付けられる空気や、マイノリティを面白がって噂しているのを聞くたびに、『この職場では自分を隠していこう』と決断せざる得ないのが現状です。
もちろん全員が理解のないわけではないと思いますが、少なからず不快な思いをさせてしまう人がいると思うと、当事者はカミングアウトを見送るでしょう。結局カミングアウトは自己満足だと口をつぐむのです。
対外的にはLGBTQ+フレンドリーと謳っていても、実際中身の薄い企業はたくさんあります。
同性のパートナーに対する社内制度が整っていなかったため、やむなく退職してしまった方もいます。
私たちは決して特別な待遇を求めているわけではありません。等しく平等に評価されたいだけなのです。
だからこそ、企業はLGBTQ+コミュニティへの支援を表明し、具体的に従業員がカミングアウトしても社内での働き方や昇進・昇格に影響がなく、自身の能力を最大限に発揮できる職場環境を実現することを望みます。
もしカミングアウトされたら?
カミングアウトと簡単にいっても、当事者からすると、とても勇気のいる行動です。
こんな事を聞いたら嫌われるんじゃないか?気持ち悪いと思われるんじゃないか?など不安とリスクは尽きません。
それでも『この人なら理解してくれる、きっと大丈夫!』と思ってカミングアウトしているのですから、聞き手は優しく受け止めてあげて下さい。
- そうなんだ、話してくれてありがとう。
- 私から他の人には言わないよ。
- 何か困っていることはある?
正解はありませんが、当事者を思いやる気持ちや向き合って対話する姿勢をとる事ができるか、が重要になってくると思います。
私自身も母親にカミングアウトする時は不安でいっぱいでした。
それは『育て方が間違っていたのか』や『孫が見れないのは寂しい』なんて事を言われるのが怖かったから。
母親を悲しませると同時に、私自身を否定されるのが怖かったからです。
今では母もなんとなく理解はしていますが、まだ完全に理解しているわけではありません。
自己満足と言われてしまえばそれまでなんですが、今となっては伝えて良かったと思っています。
自分らしさを隠さずにいる事はとても生きやすいのです。
↓こちらの記事も合わせて参考ください。
勘違いして欲しくないのは、全員がカミングアウトしたいと思ってはいないという事。
自分の中だけに留めておきたい当事者の方もいます。
無理に聞き出そうとしたり、探りをいれるような発言はやめましょう。
もしカミングアウトされたら、次の日も変わらずいつも通りに接してくれる事が一番嬉しいのです。
私は打ち明けたことで、更に仲良くなった友人がたくさんいます。
まとめ
私の会社でもアライのシールを配ったりしており、意思を視覚的に表現できる活動を行なっています。
私はセクシャルマイノリティに理解がありますと対外的に表現することでマイノリティの働きやすさをよくしていこという活動です。
もし自分の上司がこういった意思表示をしてくれていたら、部下は相談するキッカケを作りやすいのかもしれません。
長く働いてもらえる事は企業にとっても大きなメリットになります。
こういった活動は是非やるべきだと多いますが、こういった活動をしないといけない社会ではなく、しなくても理解のある社会になる事を望んでいます。